中古不動産の個別価値とは

不動産

 おうちを買うときには資産価値のある家を買おう。しかし、今の日本では買う値段以上の価値のある家はほとんどないのが事実です。

 この事実を前提として少しでもお得におうちを買うために、

  • *新築住宅を買わない
  • *住む町を選ぶ
  • *不動産の個別価値を付け加える
  • *おうちを修繕して使う

 なかでも今回は「不動産に個別価値を付け加える」ことに注目したいと思います。

 おうちの個別価値とは個人的な事情によって生じる価値のことです。特におうちの買主にとっての価値を考えてみたいと思います。

 それは売主と買主が売買を成立させるための活動から生まれます。

 先日「空き家幸福論」(著者:藤木哲也氏)日経BPを読みました。著者はネット上で「家いちば」というサイトを運営し新しい空き家の不動産市場を作る試みをしています。

 不動産仲介では仲介業者が間に入り売買を成立させますが、必ずしも売主と買主の利益のために活動しているとは限らないそうです。また、仲介活動の中で手間がかかるのが売買手続きに至るまでの営業活動だそうです。

 そこで著者は「家いちば」で物件を紹介し、当事者は話し合いをして合意すれば「家いちば」に仲介を申し込むそうです。営業コストが少なくなる分、仲介料が安く済むのがメリットだそうです。

 それよりも買主が売主におうちや町の歴史を聞き取ることで歴史的な価値を発見することができます。古い家であればあるほどたくさんの歴史があるでしょう。新築住宅には絶対ない歴史という個別価値があります。

 古い家の場合は家主が何代も変わる場合があるでしょう。その様子は不動産登記簿でうかがい知ることができます。

 以前私が買った不動産も古いものでした。昭和5年(1930年)に保存登記と売買登記の記録が残っていました。当時、大阪は「大大阪」と呼ばれたいへん活気のある時代でした。大阪市内に住む売主が徳島から移り住んできた買主よって買われた記録がありました。地方からどんどん大阪に人が集まってきたのでしょう。

 「空き家幸福論」で著者は空き家が問題なのではなく、当事者が不在のやりとりが問題と言っているのがわかるような気がします。売り手と買い手が不動産に個別価値を付け加えるやりとりが必要です。

 

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