おうちまち活動

好きな町

 実家暮らしから独立した時に古い長屋を買って住み始め、借金を返し終わるとお金をためてその古い長屋を修繕した経験から、住んで生活するための不動産と町が好きになりました。

 ちなみに昔から長屋住まいで、マンションや郊外の新興住宅街のようなところには興味がなく、駅前の道幅が狭く住宅が密集した地域が好きです。意識的に「町」は住んでいる人たちによって作り替えられて住みやすくなったまちを指しています。一方「街」は行政や開発者によって計画的につくられたまちの意味で使っています。

 homesやathome、suumoのサイトで築古物件を日々探しています。めぼしい物件が見つかれば実際にその物件を見に行きます。見に行くといっても不動産屋と一緒に内見に行くことは稀で大抵の場合は自分一人で物件の所在を確認にいきます。物件以上に物件がある地域に価値があると考えているからです。

 「町」を考える上で参考にしている本があります。著者の大月敏雄氏の「町を住みこなすー超高齢社会の居場所づくり」(岩波新書)です。

 いろんな人たちが「町」には住んでいます。若い学生さんも、高齢者も、男性や女性もです。住んでいる「町」で学校に通ったり、仕事をしたり、家族と一緒に住んだり、一人で住んだりしています。「町」はいろんな人たちがそこで住みこさせるように多様性があったり、雑みがあったりしなければなりません。「おうち」にも賃貸集合住宅があったり、戸建て持ち家住宅があれば多様な人たちが集まります。「おうち」だけでなく、「医」や「職/食」の機能が「町」の多様性を広げます。

 

 大阪の「町」の「おうち」を探すときも同じように著者の言うような「町」の特徴を見ています。あまり道幅が広くなく、古い町並みが残っていて駅前には商店街があるような町で探しています。

 近くに大学があったり、昔からある神社やお寺があったり、あまり大きくない川が流れていたりすれば尚良いです。

 空き家も多い町もありますが、取り壊されるとすぐに住宅が建っているかどうかも評価の対象としています。

 今はコロナ禍の影響で車で見に行くことが多いですが、電車で行くこと方が地域をじっくり見てまわることができて好きです。前もって町の情報は頭に入れておいて、あえて大通りより一本入った道を見てまわります。

 歩きまわっていない「町」がまだまだたくさんあります。

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